炉灰と濡れ灰を作ります

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茶人は灰の色や粘りにこだわって毎年、風炉の灰と炉の灰を作り直します。知らない人が多い世界です。これはクヌギの灰でして貴重でございます。一度、生灰のごみを取るところから始まる訳ですが、高価である故10gでも無駄にしたくないものです。炉の中に沢山の灰が入りますし濡れ灰も作りますので10kgくらいは仕込みます。上っ面の茶道経験では理解しがたい灰作りの世界をお見せします。ものづくりの探求は天井知らず。今年は、納得いく仕事だと自負しても先生方が上を行くと反省をして来年再挑戦する。茶道の中のほんの一角に過ぎない灰なのですが、茶人達は命を懸けてます。灰を見れば茶歴がわかるといいます。物を作ると言う行為は、教えることから始まるのですが本人が仕事を好きか嫌いか、仕事に素直かによって経験を重ねていくうちに実力の差が生じてきます。生きてる時間は有限ですので何事においても直視して努力をしていきたいと思っています。拝(灰)
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本来は、建水に流した濃茶の汁を貯めて使うと灰の色がよくなります
これは表千家 故堀内宗完宗匠の秘伝です

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何分、11月に作ってますので水が抜けるように気を配ります

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天井がガラス張りの茶庭なので天日が入り助かってます
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3日間は天日に晒します
灰の厚さ2cmに統一

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クラックが入る
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クラックの水が抜けたのを確認して湿し灰を作ります。
これはまだまだ水が抜けてません。
あまり乾燥させないように注意して。



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粗い粒を潰して篩の下に落とします

一回目の粗目篩にて(3mm)
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コーヒーみたいでしょう。

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カメラにより色が悪く映ってます
二回目の細目篩(2mm)に残った霙灰が濡れ灰となります。



しっかりと茶汁を吸わせた灰を乾燥させます。大の篩(ふるい)と小の篩(目2mm)を使用して、まずは大の篩にかけていきます。その灰を灰匙で掬い小の篩へ移し軽く震えると網から落下しない霙灰が出来上がります。この作業を繰り返して蒔き灰を作ります。網から落下した粉の灰は茶汁に漬けなおして、もう一度天日に晒して同じ工程で霙灰を作ります。時間と手間のかかる仕事ですが最近は、ここまで丁寧にする茶人が少なくなったとメールが来ました。
by tsubakitei | 2019-11-07 11:48 | 茶道の精神

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